“「国の傘」に守られている「企業の傘」の下には、下請け企業や孫請け企業など系列会社があると同時に、そこで働く正社員の人たちがいました。そして、この「企業の傘」と「正社員の傘」の関係もかなり特殊で、企業は正社員の人たちにヨーロッパなどの職務給とは違う生活給を払います。子育ての費用や教育費用、住宅費用、社会保障などが、日本ではヨーロッパなどと違い多くが労働者の自己負担・自己責任にされていましたから、家族が生活していくそうした出費に耐えられる賃金=生活給でないと子どもを育てることができないので日本は生活給になっていました。
ですから、子どもの育ちにあわせて年功型で上がっていくことになります。この年功型賃金のカーブは、子育てや教育費用などの出費と見事に同じカーブを描いています。
企業側は男性ひとりだけでなく家族が暮らせる生活給を払ってやっているのだから1.5人分とか2人分働いて当然だとばかり超長時間労働やどんな異動などでも労働者にのませるということでやってきました。正社員は主に男性でしたから、この3番目の「正社員の傘」は男性正社員が主に作っていました。
この「男性正社員の傘」の下に、妻や子どもがいるという日本型雇用モデルに基づく日本型社会システムがあったのです。
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